代表メッセージ
甲佐 敬(こうさ たかし) | 相続コーディネーター(税理士)
- 出身高校:県立延岡西高校(現:県立星雲高校)
- 趣味:ゴルフ
- 好きな言葉:継続は力なり
- 好きな食べ物:うどん・そば・駄菓子
- 子供の頃、将来なりたかった職業:大工さん
「相続税を少なくすることだけが
税理士の役割じゃない。」
相続の相談で来られた方を前にした時、私が自分に言い聞かせている言葉です。
(当法人の方針でもあります。)
私は、税理士事務所の職員時代から積極的に相続に関する業務に携わり、
「相続に詳しい税理士」になることを目標としていました。
そして、税理士試験の受験科目の1つに「相続税法」を選び、晴れて試験に合格した後は、
今度は「税理士」という肩書きで様々な相談に対応してきました。
経験の浅い頃は、「いかにして相続税を少なくするか」
相談を受けると、いつもこのことを自分に課していました。
またそれはお客様から求められていることだ、と思っていました。
そのような心構えである相続に携わったときのことです。
いつものように相続税を少なくするポイントを見つけ、ご相談者様(ご遺族である奥様)に提案し、「甲佐さんがおっしゃるならそうしましょう。」と案件を進めていました。
亡くなられたご主人(被相続人)はご両親と同居しており、自宅の名義は父親と半々(1/2ずつの共有)となっていました。
その自宅の名義(1/2の持ち分)をご主人(被相続人)の奥様が全て相続するという提案でした。
それが当時の状況で、相続税を一番少なくする提案でした。
相続手続きが済み、ご相談者様は引き続き亡きご主人のご両親と同居していましたが、
数カ月後、もともとご両親との仲があまりよくなかったご相談者様は子供を連れて出て行ってしまいました。
自宅の2分の1の持ち分(所有権)を持ったまま。
その自宅に引き続き住んでいたご両親は、その後自宅の売却を考えましたが、
遠く離れたお嫁さんに連絡して承諾を得なければなりませんでした。
お互いとても億劫で面倒なことなのは明らかでした。
そのような状況を聞かされた私は、「あの時こうなることを想定し、もっと違う提案をしてあげればよかった・・・。」と、1人夜の事務所で悔やんだものです。
そして、数年たった今でも、思い出すたびに悔やまれる案件でもあります。
その体験を通して学んだこと。
税金をたとえ少なくしても、ご家族が揉めてしまい、
仲たがいしては成功とは言えない。
数字では正解を出せても、感情面で不正解になっては、
誰も幸せにならないんだと。
今では、相続税を少なくする方法は当然検討しますが、ご家族が揉める要素があれば先回りして、「納める税金は高くなりますが、円満にいくには・・・。」と税金以外の要素も重視したご提案をさせていただいています。
相続は贈り物。
贈り手と受け取り手が円満に。
その仲人として私たちがいる。
その想いで、私は今日も相続に携わっています。